介護士を目指すにあたって、実際に給料がどのくらいもらえるのかが気になる人もいるはず!
この記事では、様々な働き方の介護職の方に働き方や実際の給料について調査させていただいた内容を紹介しています。
介護職の給料は?
一口に介護職と言っても、正社員、派遣、パート・アルバイト。時短や夜勤専従など働き方は様々です。
医療・介護分野でも、介護職が活躍する場所は、
- 特別養護老人ホーム
- 老人保健施設
- デイサービス
- 病院
- 障がい者施設
- 介護訪問サービス
など。
働き方も働く場所も異なるため、介護職の給料を一言で紹介することは出来ませんが、厚生労働省が行う『介護事業実態調査』のうち『令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果』によると、
平均給料(常勤) | 平均給料(非常勤) | |
令和2年 | 315,850円 | 196,630円 |
平成30年 | 300,120円 | 189,200円 |
となっています。(データ元の厚生労働省HPはこちら)
調査結果の介護職員の基礎データは
- 常勤…平均年齢43.9歳
平均勤続年数8.1年 - 非常勤…平均年齢51.1歳
平均勤続年数7.2年
正社員と非常勤でも大きな差がありますが、賃金差は他の職業でも見られる範囲内と言えます。
また、この調査で算出されている給料の平均と比べ、『自分はこんなにもらってないよ』という人もいらっしゃると思います。
実際の給料には年齢や、勤続年数、働き方によっても違いが出てきます。
介護職全体の給料は年々上がっている
『介護士は給料が安い』という話を聞いたことがある方もいると思いますが、実は介護職全体でみると、給料は上がってきています。
上の表でも、1年で約7,000~15,000円ほど上昇していますね。
これは、介護職員の安定的な処遇改善を図ることで、人材確保をしていきたい政府の考えもあり、『介護職員処遇改善加算』が導入されたことが大きな要因です。
区分ごとに設定された要件を満たす介護事業所で働く介護職員の、賃金改善を行う目的の加算であり、事業者が市町村や都道府県に届け出をし、支払いの委託を受けた国保連(国民健康保険団体連合会)が事業者からの加算請求に対して加算支払いを行うことで、加算(報酬)を受け取ります。
事業者は、受け取った加算をもとに、算定額に相当する賃金改善という形で働く介護職員の賃金改善を行います。
このシステムにより、少しづつですが『少ない』と言われ続けてきた介護職員の賃金の上昇がみられています。
今後も対象となる事業者の拡大や、加算制度の充実が図られて、介護職員の賃金が上がっていくことに期待が集まっています。
現役介護士19人に聞いた、リアルな給料明細
では、実際に現場で働く介護職員のリアルな給料はどうなっているのでしょうか。
今回は現役の看護師でもある編集長が、職場や知り合いの介護職員の方に取材した情報や、クラウドソーシングを利用して集めた全国の介護士さんのリアルなデータを基に作成しています。
今回リアルに取材させていただいた方は、20~50代まの現役介護士として働く方々。
いろんな職場や人生経験のお話も聞くことができました。
その中でも、今回は働き方もバックヤードも異なる3人の仕事内容や給料・介護職の魅力についてまとめて紹介します。
資格なし:介護福祉施設で働き始めたAさんの場合
元々働いていた地元の企業を退職後、アルバイトなどをして生活していました。
なんとなく、人と関わる仕事がしたくて、デイサービス事業所に就職しました。
職業 | デイサービススタッフ |
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年齢 | 24歳 |
資格 | なし |
仕事内容 | 施設に利用者が来るまでの準備や、レクリエーションのアシスタント、事務系の仕事など。小さな施設なので、掃除も行います。 入浴介助や食事介助も施設なら行えるので、先輩方の指導のもと、主に『介護助手』といったポジションで働いています。 |
働き方 | デイサービスなので日勤のみ。 休日は月に10日で、平日に休みをもらうこともできます。 |
給料 | 月給160,000円 |
仕事の魅力 | デイサービスは未経験でも介護に携われるので、いろいろ勉強になります。アットホームで、働いてみると意外と自分に向いていたかも。 今は『介護福祉士』の勉強中で、研修の費用も会社が負担してくれるので助かっています。 |
無資格だと、利用者さんのからだに触れる『身体介護』は出来ないと思われがちですが、施設での業務で、介護福祉士の指示のもとでなら行うことが可能です。
資格のある介護福祉士と同じような業務内容ですが、やはり資格の有無で給料面では少し低くなります。
しかし、そこは人手不足の介護業界。スキルアップに係る費用は事業所負担であることが多く、研修なども積極的に参加させてもらえることも。介護職員は働きながら資格取得をすることも可能です。
介護職員初任者研修、介護福祉士とステップアップすることで手当などが加算され、収入も上がっていくことが多いです。
介護福祉士の資格あり:介護福祉施設で働くBさんの場合
高校の社会福祉課を卒業。卒業から現在まで、特別養護老人ホームで交代勤務で働いています。
現在は、スタッフのシフト表を組んだり、介護主任クラスの仕事をしています。
職業 | 特別養護老人ホームスタッフ |
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年齢 | 32歳(子ども5歳) |
資格 | 社会福祉士 |
仕事内容 | 施設入所者さんに対し、介護や日常生活の援助を行います。食事介助や入浴介助、時には見守りも大切な援助です。 特別養護老人ホームは、一度入所したらほとんどの人が数年というスパンで長い時間を過ごす生活の場です。自分らしく生活を営めるように、ひとり一人に合った介助を行う事を意識しています。 |
働き方 | 2交代勤務、月9日休日あり |
給料 | 月収22,000円~260,000円 夜勤回数によって変動 資格手当や処遇改善手当込み |
仕事の魅力 | 特養(特別養護老人ホーム)では介護職員の責任も役割も大きいです。 医師や看護師のように治療や看護を行うことは出来ませんが、利用者さんの生活を支えたり、体調の変化を見逃さないように毎日頑張っています。家族や医療スタッフとの連携も大切な仕事です。 |
10年以上介護の現場で働いてきたBさんは、子育て期でもあるため、夜勤は控えめにしているとのこと。
介護職は働き先も働き方も多種多様なので、自分に合った働き方を選ぶことで長く仕事を続けていくことができます。
給料面では、資格手当や処遇改善手当なども含めて25万円前後とのことでした。
ホームヘルパーとしてパートで働くCさんの場合
35歳で専業主婦から全くの未経験で介護業界に入りました。
子育てとの両立のため、現在はホームヘルパーのパートを週3日しています。
職業 | パート訪問介護士 |
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年齢 | 40歳(子ども2人) |
資格 | 介護職員初任者研修、実務者研修 |
仕事内容 | 利用者さんの自宅に伺って、介護を行います。 利用者さんは介護度によって必要な援助レベルが違うので、体力をとても使う時もあれば、食事や買い物の援助など軽作業的な場合もあります。 必要な介護を決められた時間の中で行う仕事で、日に何件も訪問します。 |
働き方 | 週3日、パート勤務 |
給料 | 時給1,100円 1日5時間 |
仕事の魅力 | ひとり一人必要な介護が違ったり、様々な環境で生活されていることを知ることができます。利用者さんによっては、ヘルパーが家に入ることも嫌がられる方もいますが、直接『ありがとう』と声をかけてもらえるととてもうれしいのも、この仕事の魅力です。 介護福祉士やケアマネージャーなどの仕事にも興味があるので、挑戦してみようと考えています。 |
ホームヘルパーとして働くCさんは、家庭との両立を一番に考えて、パートとして働いています。
実際に扶養の範囲内で働きたい方も多く、働き方が選べる職職場も多いので主婦の方でバートを選択される方も多いのが介護業界の特色です。
介護職は資格の有無や働き方が多種多様。
一口に介護の仕事と言っても、無資格から働くことができる業務や、国家資格などの資格がないとできない業務もあります。
働き方では、正社員・派遣・パートやアルバイトなど、自分の生活に合った働き方もできます。
働き方も働く場もたくさんの種類がある介護業界は、給料の平均を算出するのはとても難しいのが現状です。
しかし、少しづつ給料が上がってきていることは事実ですし、同じ介護職でも働き方や勤続年数、『資格の有無』によって給料が上がっていく傾向があるため、長い目で見ても、介護の知識やスキル、資格は持っていて損のないものと言えます。
介護士給料まとめ
介護業界全体の賃金の安さを改善するために、加算制度を導入するなど、国ぐるみで人材確保に力を入れている業界は多くはありません。
介護職は今後も需要の高まりから、売り手市場が続くことも考えられますし、自分やご家族などの生活にも知識が活かせる分野です。
福祉の仕事に少しでも興味があるなら、需要も注目も集まっている今がチャンスですね!